開戦

「弓兵は坂の上に移動、槍兵は前に出て槍を構えよ!他のものは援護に当たれ!」
命令があちらこちらに飛び交い、多少混乱するものもいた。しかし早く位置に着かなければ相手に隙をつかれ、総崩れとなる・・・混乱するのは仕方がないことと思った。
「騎馬兵、坂の上の弓兵より前のところに移動しろ!槍兵が総崩れとなったとき、敵目掛けて突撃するぞ!」
背水の陣・・・実際はそんなに劣勢ではないのだが、気持ちはまさにそのとおりだった。織田軍は三方に分かれて攻撃を開始するようだった。正攻法で戦う・・・小細工はしそうになかった。
「弓兵、今だ、撃て!」
その言葉と同時に多数の弓矢が飛んで行った。矢が空を駆けている・・・その光景は多数の鳥たちが一斉に羽ばたき、空を飛んでるようであった。
「ぐあっ」
「ぐっ・・・」
「ぎゃああああああ!」
半分以上の矢が織田足軽兵に突き刺さり、倒れるもの、無傷なもの、矢が刺さっても構わず走るもの・・・
矢を射られたのにもかかわらず全員がひるまずにこちらへと突っ込んできた。それに驚き、逃げ出そうとするものもいた。
「きたぞ!やれえええええ!!!」
怒涛のごとく押し寄せてくる敵へ、槍兵が槍を前に出しながら走り始めた
「うおおおおおおおお!!!!」
共にぶつかりあう兵士たち。槍や刀で突かれ絶命するもの・・・
泰成は弓兵だったためまだ直接攻撃を受けてはいないが、坂の上から眺める戦場は見るに耐えない光景と成っていた。


その争いが起こっている場所の横にある森からその光景を見ている兵士達・・・
静かに、静かに時を待ちながら潜む・・・
「そろそろよろしいのでは・・・?」
そう問いかける兵士に対し、武将は言った。
「まだだ、まだ駄目だ。もう少しひきつける必要がある」
「しかしこれ以上時が経てば相手は盛り返して・・」
言い終える前に武将に注意される。
「確かにな。だが、今出ては台無しだ。」
心配そうに見る兵士。武将は振り返ってみる。兵士達は皆なんとか潜んでいるだけで、不安が消えてない。
「お前達は運がいいんだ。普通なら前線で戦うところが支援するだけの隊に入ったんだ。死ぬことはまずない。下手をしなければな」
それでも不安がぬぐいきれない兵士。そんなことは構わない武将。いくらいっても無駄なことはある・・・
「む」
どうやら斉藤家が騎馬兵を坂の上から突撃させたらしい。
「好機・・・!皆のもの、馬を狙え!」
武将自身も鉄砲を持つ。
「・・・撃てえええっっ!!!!」
その号令と共に兵士達が一斉に撃ち始めた





槍兵が総崩れとなった・・・
「崩れたか・・・騎馬兵!突撃せよっ!」
武将は命じた。そして騎馬兵は一斉に坂を降り、織田兵に向かって突撃を開始した。
「槍兵は道をあけよ!弓兵、援護射撃を頼む!」
武将自らも騎馬兵達と共に突撃をする。
皆そろって槍を上に掲げ、馬を走らせた。
大体坂の一番上から降り、中腹へ達するところだった。
突然、戦闘の騎馬兵が倒れ始めた。そのために将棋倒しとなり、「止まれ!」というしかなかった。どこからともなく何か攻撃を仕掛けられたようだった。
―鉄砲か!―
「皆のもの!退け!退・・・」
立ち止まり、坂の上へと引き返そうとするとき、ひとつの弾が武将の胸を突き抜けた
「がはぁっっ・・・」
血を吐きながら落馬する武将、しかしそれに兵士達は誰一人気づかず、逃げていった。馬にけられ、足軽に踏まれ・・・
―これまで・・・か・・・―
そして織田兵が少しずつ前進していき、武将は一人取り残されていった・・・



泰成は動揺した。槍兵たちが崩れても騎馬兵が押し返すと思ってた最中、伏兵により部隊自体が総崩れとなったからである・・・
―逃げるしか・・・―
皆が追い討ちに耐えながら逃げ始めた。後ろから刺されるもの、撃たれるものは多数いた。中には味方により踏まれたり、蹴られたりして落命するものもいた。
坂の上だったからよく見えるわけだが、伏兵はすぐそばの森にいたらしい。だが、誰一人として気づかなかったのはおかしい・・・
とりあえず逃げることが先決として、走り出した。だが皆と一緒だと死にやすい・・・
道をはずれ、一人本陣へと走り出した。が突然足をつかまれた。そのため泰成はこけてしまった。
「あ、あんたは・・・」
「あなたは・・・先ほどの・・・!」
足をつかんだのは進軍中に話しかけてきた足軽兵士だった。
「うらみはねえが、死んでくれ!」
刀をとり、斬りつけてくる。かろうじて転がったため、よけられたがあともう少しで死ぬところだった。
「な、何をするんです!?」
「俺は織田の伏兵だよ!」
「な!?」
言いながら刀を振る兵士。熟練した者ではないが、それなりに鍛えられていた。
「つまりあんたがいた隊の3割がたが織田の間者だったわけさ」
「!?」
「織田に降るなら命を保障してくれるって・・・だから降ったのさ!」
「なぜです!?なぜ・・・」
ようやく立ち、刀を構える泰成。だが腕は相手のほうがいい。
「斉藤にいりゃあ毎日合戦のようなもんだ。俺は死にたかねえんさ!」
「くっ!」
力の限りきりつけてくる兵士。隙はあるがなかなか攻撃できない。
何度か斬りかかったが刀でかわされた。そのうち疲れてきて、足を木にとられた。
「恨まないでおくれよ!」
その隙を見逃さずに刀を突き刺そうとする
―もう駄目か―
そう思ったとき、兵士の頭に鉄砲の弾が貫通した。
声も出さずに倒れ死ぬ兵士。無念の表情をしていた。
「味方の流れ弾にあたるとは・・・」
と思ったが早く逃げなければと急ぎ本陣へと目指そうとした。が
「どこが・・・本陣だろう・・・?」
「おい、何をしてる!?早く逃げないと殺されるぞ!」
ちょうど通りかかった兵士がいた。馬に乗っていた。
「斉藤兵士だろ?早く乗れ!」
「は、はい」
何か都合の良すぎる・・・
「あなたは斉藤家の方なんですか?」
「ああ、ちょうどおまえと一緒の部隊だった。ここなら兵士には見つかりにくいから通ったわけなんだが・・・とにかく乗れ」
泰成はその男の後ろにのった。
「それとな・・・俺は伝令役をしていた。他のところは順調らしいが、ここは駄目らしい。・・・隊長も死んじまった・・・」
「え?」
「さっきな、見たんだが、隊長が騎馬兵とともに倒れて死んでいた。」
「本当ですか・・・」
「ああ、それよりはやく戻るぜ。」
馬をせかして早く戻ろうとした・・・
「中中なら大丈夫らしいから、そこまで退くぞ!」
「・・・はい・・・」
戦とは・・・予想以上に恐ろしく・・死がいつもつきまとうことか・・・
泰成は顔を暗くし、終始無言で中中へと退却した。




時間ないのでここで中断
下手の横好き・・・小説は好きですwなので書きたいわけなんです^^;
まあ戦ものにするつもりなのでつまらないでしょうが・・・
表現がうまくいけない・・・まあこれをもとにつくるってのもありでしょうが・・・
とりあえず原稿として書きw

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Last-modified: 2007-12-10 (月) 03:46:44