「そこのお方、わしらの願い、聞き遂げてくれませんでしょうか?」
「・・・は?」
拍子抜けであった。ことの発端はこの農民からであった
今日は曇り空、適当に街道を歩いている城戸にとある農民が暗い顔をしてかけよってきたのだ
「実は・・・」
話によると次のとおり
まず農民はいつものとおり東の山、近江に近い山へと薬草を採集しにいったそうだ
そこは怨気に満ちている場所で、危ないという
なぜ、満ちているのか?
聞けば斉藤家所属の者がここで命を絶ったという
無念の最中、だったそうだ
それでどうしたのか?
時々その怨霊が山をおり、その近くの家々によっているとのこと
怖いので、霊をしずめてきてほしい
ということだった・・・
「しかし・・・なんでまた?なにがあったので?」
「それは・・・」
口を濁らす。後ろをむき、説明してくれ、というように目で後ろの農民にいった
仕方がないか、そんなかんじで後ろにいる農民は言い始めた
「実は、あの方は小林秀翠といいまして、斉藤家の忍者の中では中の上か、上の下くらいの実力の持ち主だったんですよ」
「いや、だからそこまでの者がなぜ命を絶ったんです?」
「・・・話さなければ成りませんか・・?」
「・・・できれば。そうでないと行く理由がありません。頭は知っているのですか?」
「はい、内々で処理した事件でして・・・」
「事件?」
しまった、と口を滑らした農民はあせり、後ろへ少し下がった
「どんな事件です?」
「い、いえ今のは・・・」
「ちゃんと聞きました。もう言い逃れは無理ですよ」
馬鹿、最初に話した農民はしかり、もう話すしかないか、と諦め顔だった
「・・・ん?ちょっとまってください、内々で処理したのになぜあなたがた農民が知っているのです?」
少し困惑した。
「七丙の馬鹿。実は、私たちは隠密忍者でしてね。内々のことは大体は知っています」
「そうだったんですか・・・!」
驚いた、まさか普通に田畑を耕している農民が忍者とは・・・
今まで監視されていたのか・・・?
「それで、去年おこったことなんですよ・・・」


去年おこったこと・・・
「それは・・・もしかして敵の調略にかかり、無念のうちに死んだという・・・?」
「はい、そのとおりです。しかしまだそれではなかったのです・・・」
実は・・・
たんたんと話を進める農民、いや忍者
しかしその話に仰天し、まさか、ともらした
「・・・ということは、秀翠という方は裏切りの事と城の破壊工作によって捕らわれたというのですか!?」
「はい・・・ですがそれは嘘です。しかしそのときもうすでにおそく、だれかを裏切り者として挙げなければ危なかったのです・・・」
「それで・・・無実の罪で捕らわれ、勝手に裏切り者に挙げられたのですか・・・」
そんなことがあったとは・・・
・・・
そのあともまだ話があったようだ
他にも罪をかぶせ、それらを背負って死んでくれといわれたそうだ
あまりに身勝手な、そう思った秀翠は逃げ出した
しかし評判は底になっており、身を隠すほかなかった
最期は先祖代々の墓がある山へいき、そこで無念のうちに自害したという・・・
「・・・なぜ、なぜ今まで放っておいたのですか?」
「放っておいたのではありません。しかし怨念が強く、何人もの忍者と僧がいったきりもどってこないのです・・・」
「頭は・・・なぜ・・・?」
「それでお願いです。過去を振り切るため、あの者達を鎮めて下され!」
・・
あまりにも身勝手すぎる・・・
「考えさせてください・・・」
後ろを向き、稲葉へ帰る城戸
そうした後姿をずっとみる隠密忍者
「隊長、なぜ我らだけでいかないのですか?」
「我らがいったとしても意味がない。ただ屍を増やすのみ・・・」
「もうそのできごとは2,30年も前っていうのに・・・」
・・・
暗い雰囲気をさらに暗くするように雨が降り始めた
どんよりとした雲の下、雨が降っている中、ただ生きているだけの人間・・・
「人間っていう生き物は、他の生物よりも醜く、怖いもの、だな・・・・」



あまりにも身勝手すぎる
怨霊となった原因はそもそも斉藤家ではないか
敵国はただ調略をしただけ、
それを信じた上層部の人間が斉藤忍者を犯罪者と仕立て上げた
そのせいでその忍者は自害した。そして怨霊となるまでの恨みを抱えながら、蘇った

蘇ったわけではない
死霊として現世にとどまっているだけだ
それをどうにかするのは上層部の人間
それを下層部の、しかも直接かかわっていない人間を始末にいかせようとしている
何を考えている?
保身しか考えていないのか?
いきたくない。私は・・・上層部の操り人形ではない・・・!
しかし・・・
本当の真実を知るためにはいかなくてはならない
それが
どんな真実であろうとも・・・
・・・
行くしか
ないのか・・・
こんなに早く考えがつくとは・・・
しかし・・・
これが最期かもしれない・・・と思う
斉藤家に
仕えるのも・・・


翌日
城戸は再び農民もとい隠密忍者と出会った場所へと赴いた
「・・・ふむ、さて答えはどうですか?」
「それよりも聞きたいことがあります」
語調を強くして相手の気を削ごうとする。
それに押されたのか、多少戸惑ったような表情をみせた
「聞きたいこととは・・・?」
「なぜ私にこのような話を持ちかけたので?」
また戸惑ったような。しかも今回は初めて見る戸惑いだった
「・・・それはわかりかねます」
「なぜ?」
「・・・は・・・?」
「なぜそれを言いに来たのか、そもそも事の発端は何なのか、放っておくと何が起きるのか!・・・あなた、実は知ってるんじゃありませんか?」
図星らしい
困惑し、どう答えたらいいものかと模索しているようだ
他の2人もこの質問に驚き、隊長がどう答えるのか、それを待ってるらしい
「・・・話さなければなりませんか?」
「はい、先日の話では真核について語られていないはず。」
「・・・話します・・・といいたいところですが・・・」
言い始めようと顔を上げた。どうやら今回は本当のことらしい。が・・・
「実のところ・・・私もわからないのです。ただ多少のこと、ああ、それは先日話したことですよ。それを簡潔に説明して来いと・・・」
うそではなさそう、だ
となればやはりいかねばならないのか・・・
「そうですか・・・」
沈黙する
さて・・・いかがしたものか
真相を知ってから行こうと思ったが・・・本当に知らないとは・・・
ならば言って確かめるしかない・・・とはいっても頭に問うても答えは出ないだろう
それならば・・・
「わかりました、とりあえずその場所へいくことにします」
「おお、それは有難い・・・!」
「しかし勘違いしてもらっては困ります。これは自分のためにいくのです。あなたたちのためではありません」
確固とした理由を告げるかのごとく、たんたんと言う城戸。
・・・
私としても真核をつきたいだけであり、ここで話が終わるのは駄目だ・・・
「わかりました。しかしながら・・・物見の報告によるとかなりの数の死霊がそこにいるとか」
「かなり?10数体以下でなく?」
あっけにとられた
いくらなんでも凄腕の忍者だろうがなんだろうが、複数を相手にして戦うのはきつい
ましてや凄腕でなく、下忍の一人である城戸が複数を相手にするなど考えずとも結果は知れてる
これは・・・流石に死ぬかもなぁ・・・
苦笑しながら心でいった
ただ笑い事ではない、それは理性から離れてはいない
「ですので、徒党を組んでいかれるのが良いかと・・・」
「ふむぅ・・・となれば僧などと一緒にか・・・」
いきなりこんな話をしても困るだろう・・・
しかも忍者のもめごと。できるだけ忍者の手で穏便に終わらしたい、が・・・
仕方のないことか
「とりあえず、5日間の間に準備し、そのあとそこへいくようにします」
「わかりました。そう頭に伝えておきます」
シュっ・・・と消えていった
もちろんうしろのふたりも、だ
やっかいなことだが・・・
やるしかないよな・・・
今日は晴天という恵まれた日であった
まるでこの世に恨みなどが渦巻いているということがうそのように思えるほどすっきりとした晴天・・・
これから何が起こるか知らずに・・・城戸はいくことになる


ねむ・・・
とりあえずかきこ
完成したらあとでまとめて、小説とします
今は原案ということで
・・・しかしこうしてみると流石に話が少しおかしいところがあるなぁ・・・w
まあ、この話は暗いから読んでても沈むだけかなぁ・・・
・・・というかこれ誰か読んでるのか?w
感想きいてみたいよ・・・w
とりあえず
おやすみ

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Last-modified: 2007-12-10 (月) 03:46:48