「へぇ、あそこへいきたいと?」
「ああ、でどうやっていける?」
「あそこはやめておきなさい・・・このワシでもわからぬ洞窟じゃ・・・」
「じゃあ放っておけってか?」
「そうは言っておらぬ・・・じゃが、行けば帰れぬと思え、といってるのじゃ・・・」
ふぅ、三太郎は頭を左右に振った
城戸と恒邑から情報収集を頼まれた三太郎はすぐに例の場所に近い村へといった
しかしそこへついたのはいいが、いい情報は聞き出せられない
村人達は皆、あの洞窟を怖がっているため、直接みたことがないらしい
行った村人は皆帰ってこなく、代わりに屍鬼となってその洞窟の周りを徘徊しているという
「じゃあ、何が原因なんだ?それぐらいは知っているだろう?」
その問に村長は反論した
「その原因はお主らが一番知っているじゃろう?」
「いーや、深くは知らないね」
「嘘ばかり吐きおって・・・」
村長は嫌気がさしたのか、捨て台詞を吐いた後すぐに後ろへ向き、歩いていった
「おい、まてよ!まだ話が・・・」
「後はお主らが直接見ればわかるじゃろうて・・・!」
そのまま、立ち止まらずにいってしまった・・・
「おいおい・・・いくつになっても短気だなぁ・・・」
ふぅ・・・とため息をつき、山を見た
春になったため、草木が生い茂り始めていた
「こんな山に怨霊がいるとは・・・世も末だねぇ・・・」
とりあえず、何も掴めぬまま帰ることとなった・・・


その後を村長は見ていた・・・
「村長!なぜ言わなかったのです!?」
顔に多少汗を浮かべながら走ってくる村人・・・
「言ったところであの者達が退治できるわけがなかろう・・・」
「しかしそれでは・・・」
「うるさい!!あの男のことをいったとて、変わりなかろう!!」
村人はこの言葉に対し、はっきりと反対する表情を示した
そして、その村人は三太郎の後を追った
「馬鹿どもが・・・」
「馬鹿は、どちらかな?」
不意に聞き覚えのある男の声がした・・・
すぐさま後ろを振り返ると、村長の顔は一変した・・・
「お、お主は・・・なぜ・・・・」
「そのご老体では生きていくのはつらいことでしょうなぁ・・・いっそのこと、生まれ変わってはいかがですかな・・・?」
その男は陰陽師たちがきる直衣を着ていた。しかしそれは多少ぼろぼろになっていて、黒ずんでいた・・・
そして男はニヤリと笑い、スッと袖から十手らしきものを取り出してきた
左手には呪符をとり・・・
「お、愚か者が・・・なぜお主のようなものが・・・」
「型におさまっているのはつまらぬこと・・・あなたもそういっていたではありませんか?」
ゆっくりと村長の方へ歩き始める男・・・
村長は逃げようとするが、石につまづいて転んだ
それを見て男は冷笑した
「おやおや・・・どうしました?みっともない・・・」
村長は急いで立ち上がり、後ろへ下がり始めた
「逃げられるとお思いですか・・・?この私の実力は知っているのでしょう?」
「わかっておるわ・・・だからワシはお前をここで仕留める!!!」
そういった直後、男の周りに青い光が出始めた
「これは・・・?」
「お主を止めるための結界じゃ」
途端に男の周りに青い光が上へ下へと散り、男を包んだ・・・
「どうじゃ!身動きできまい!!」
「・・・」
青い光の結界により、男の姿は見えなくなっていた
だが・・・
「あなたはどうやら目も悪くなってしまったようで・・・」
その男は村長のすぐ後ろにいた
「!?」
後ろへ振り返った途端、動けなくなった・・・
「な、何を・・・した・・・!?」
「なに、ただの結界ですよ。あなたの使った結界と同じく・・・」
足元を見ると、確かに自分の使った結界と同じようなことがおきていた
―ここまで強くなっていたとは・・・
村長は己の認識の甘さに後悔した・・・
「だ、だが・・・結界にはまった者はぬけられるわけが・・・!」
「ええ、確かに。確かにぬけられるわけがありません」
「なら・・・なぜ、お主は・・・・」
その言葉を聞き、男は落胆し、そして冷笑を浮かべた
「あなたは本当にもう老いてしまったようだ・・・わからないのですか?結界にはまった者を・・・」
村長は結界に縛られながらも必死に見ようとした。先ほどの結界を・・・
よく見ると・・・一人の男が横たわっていた・・・
それを見て村長は激怒した
「お主・・・!!我が村の者を・・・!!!!」
その様子に男は動じず、不敵にも笑いながら
「やっとわかりましたか・・・そうです、あなたの村人です。ですが、止めを刺したのはあなた・・・」
「うるさい!!!!お主・・・かような呪術を使いよって・・・無事ですむと思うな!!!!」
その言葉に男は大笑いした
「ハハハッ!!!あなたは私に覚悟はないといっているのですか・・・?どうやら、あなたには失望してしまったようですね・・・」
男はスゥッと札をとり、それを近くにあった岩に放つ
その札は岩に張り付くと少し青く光り、そのまま岩の中に入っていった
その動作に村長はやっと気づき、男にいった
「ま、まさか・・・お主、禁術やらかすきか・・・?」
村長の顔は真っ青になり、少し震えていた
「ええ、それがどうかしましたか?」
村長はこの言葉に寒気を感じた
―もはや・・・助からぬか・・・
男の頭はもう尋常ではなかった
「さて・・・と」


眠いのでまた休憩・・・w

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Last-modified: 2007-12-10 (月) 03:46:46