謎陰陽記す。
昨日は新たな調査内容について明確な結論に達せていなかったが故に報告を見送った。調査には正確さが第一であるからだ。
与力となる事を最優先事項とし、勲功を上げる為に枯葉ネズミをひたすら狩り続ける。それによって8レベルまで成長。勲功は1800に到達し与力昇進試験が下知された。昇進試験の達成に関しては、明日その報告が可能と予測される。
そろそろ近江の様相に関しても報告せねばなるまい。近江は隣国美濃と同じく気候は秋ではあるものの、美濃が紅葉の最中にある華やかな秋ならば、近江は言うなれば冬の到来を告げる晩秋と言うべきであろう。
琵琶湖の美しさが、来るべき冬に対する寒々しさと感ぜられたのは私の気のせいであろうか……。
閑話休題。近江の地勢上の特筆すべき点としては、やはりその屯所の多さであろう。街道を移動していると短時間で多くの屯所を見ることになる。ただし屯所が如何に多くとも、他国からの襲撃に関しては、多くの襲撃者が陰形や変装といった偽装手段を用い、また街道を離れた山道を踏破するが故にあまり意味は持たないであろうが。
敵に関しては、動物系の名前としてやはり晩秋を意識させるものが多い。また鉄砲を装備した鍛冶屋が敵として徘徊しているというのも特筆すべきだろう。そのレベル帯は10レベル程度から始まっており、鉄砲鍛冶屋が存在しない代わりにこれらの敵が鉄砲の設計図を落とす可能性が容易に想像出来た。尤も確認する為には自身の成長の為に幾ばくかの時間が必要であろうが。
また与力試験での献上に関しては地道な聞き込みによって、美濃との国境付近に存在するという鉄鉱山を発見。また協力者となる侍の確保にも成功した。多量の木材を購入して包丁を量産し「鍛冶之ろ」までの修得に成功する。同時に木柄も十分量確保出来ている為に、与力試験では刀子を献上する事になるだろう。
依って件の如し。