へぼ日記・・・/2005-02-05
の編集
Top
/
へぼ日記・・・
/
2005-02-05
[
トップ
] [
編集
|
差分
|
履歴
|
添付
|
リロード
] [
新規
|
一覧
|
検索
]
寄合所案内
寄合所案内
桜ミラー
XREAミラー
編集鯖
テス鯖
-- 雛形とするページ --
(no template pages)
厳しい冬からようやく春へと季節が変わろうとする頃・・・ ~ 城戸はいつもどおり三人の墓前へ赴いていった。 ~ 三人の墓はうっすらと雪が積もっていた。お供え物も。 ~ 城戸は少し思いつき、そこらへんにある木を伐採、何かを作り始めた ~ 出来上がったものを見ると、どうやら屋根らしきもの。それに足をつけ、三人の墓の後ろに穴を作って足を埋めた。 ~ どうやら墓やお供え物に雪などがかからないようにするようだ ~ 粗末な墓の前にはお皿がいくつかあった。その上には饅頭・水などあった。またそこらへんにあった花をそえ、線香を炊いた ~ 合掌―・・・ ~ 一応の償いであった。これで自分の罪は消えるということはないが。 ~ 「今年の正月はこれで勘弁してくれ・・・」 ~ といっておいたのは餅であった。少し季節がずれていたが・・・。 ~ 去年の冬はなぜかケーキを置いていた。しかしそれは野犬に食われていたらしく、食い散らかしたあと以外何もなかった。 ~ それ以来、三人の墓の周りには柵が作られていた ~ 「・・・」 ~ もう一度合掌をした。すると背後に何か気配を感じた ~ 驚き振り向くとそこには一匹の犬と一人の少年・・・ ~ 「何やってたの?」 ~ いつから見ていたのかしらないが、とにかく少年が聞いてきた ~ 「何って・・・供養しにきただけだ」 ~ 「殺したの?」 ~ その言葉は重くのしかかってきた。何度思い出しても嫌な思い出である ~ 「ああ・・・」 ~ 「それで償いとして供養してるの?」 ~ 「ああ、そうだ・・・」 ~ 少年は平然と聞いた。どんな人物かも知らずに、平然と。 ~ すると少年はそこでくしゃみをした。無理もない、この寒い中薄着一枚、しかも袖などが破れている ~ 「寒いだろう、これでも着てろ・・・」 ~ 先ほど作った絹の服。少し間違い、使えなくなった。しかし服としては十分使える ~ 「いいの?」 ~ 「ああ」 ~ 「ありがとう」 ~ 少年はにっこりと微笑み、薄着の上にその服を着た。 ~ ふと足元を見ると先ほど少年の横にいた犬が近づいて来ていた ~ 人懐っこいようだった ~ 「そいつの名前、小朗って言うんだ。家の近くにいたから一緒に遊んでたらなついちゃって」 ~ クスクスと笑いながら話す少年。その明るさに城戸はうらやましく思った ~ 「お前の名前は?」 ~ 「小太郎」 ~ ピューッと口笛を鳴らし、犬を自分の下へと来させる ~ 「おいら、一応斉藤の忍者さ。あんた、確か中老の城戸だね?」 ~ 「!忍者だったのか!?」 ~ 「でも下忍さ。あ、無礼かもしれないけど敬って呼ばないから。おいらは階級に縛られるのは嫌いだから」 ~ そういうと腰を下ろし、犬とじゃれ始めた ~ 「いや・・・逆にその話し方のほうが話しやすくていい・・」 ~ 「ならよかった。おいらの本名は松村小太郎。飛騨の生まれ」 ~ 「飛騨・・・そうか」 ~ とりあえず少年の近くへいき、座った。少年といってもそんなに年は離れていない。多分、この少年は12歳くらいだろう。 ~ 「・・・して、なぜここに?」 ~ 険しい顔になった城戸。 ~ 「そんなに警戒しないでよ。おいらはただここにきただけさ」 ~ 「本当か?」 ~ 「疑い深い人だね、本当さ。いつもこの犬と一緒に美濃を駆けるのさ。今日はたまたまここにきて、たまたまあんたがいただけ」 ~ 呆れ顔で城戸を向きながら言う。 ~ 「そうか・・・」 ~ そういい残すと城戸は稲葉山へと戻るべく、小高い丘から下り始めた ~ 城戸が立ち去ったあと、小太郎は独り言をいった ~ 「城戸って人、疑心暗鬼になってるね・・・」 ~ すると木の上から一人の男が降りてきた ~ 「仕方のないこと。しかし我らに害を及ぼす者となれば死あるのみ」 ~ 「どうするの?思いつめてるあの城戸を」 ~ 「どうもしない。ただ静かに見つめるのみ・・・」 ~ そう言うとすぐ姿を消した ~ 「はぁ、あのひとって話しにくいんだよなぁ・・・堅くて」 ~ ぶつぶつと先ほどの忍者のことをいう小太郎・・・ ~ 「まあ、おいらも静かに見させてもらおうかな」 ~ そういうと小太郎もその場から去った。犬も一緒に。 ~ あとに残ったのはまだ寒々しい風、そして三人の墓だけであった・・・
タイムスタンプを変更しない
厳しい冬からようやく春へと季節が変わろうとする頃・・・ ~ 城戸はいつもどおり三人の墓前へ赴いていった。 ~ 三人の墓はうっすらと雪が積もっていた。お供え物も。 ~ 城戸は少し思いつき、そこらへんにある木を伐採、何かを作り始めた ~ 出来上がったものを見ると、どうやら屋根らしきもの。それに足をつけ、三人の墓の後ろに穴を作って足を埋めた。 ~ どうやら墓やお供え物に雪などがかからないようにするようだ ~ 粗末な墓の前にはお皿がいくつかあった。その上には饅頭・水などあった。またそこらへんにあった花をそえ、線香を炊いた ~ 合掌―・・・ ~ 一応の償いであった。これで自分の罪は消えるということはないが。 ~ 「今年の正月はこれで勘弁してくれ・・・」 ~ といっておいたのは餅であった。少し季節がずれていたが・・・。 ~ 去年の冬はなぜかケーキを置いていた。しかしそれは野犬に食われていたらしく、食い散らかしたあと以外何もなかった。 ~ それ以来、三人の墓の周りには柵が作られていた ~ 「・・・」 ~ もう一度合掌をした。すると背後に何か気配を感じた ~ 驚き振り向くとそこには一匹の犬と一人の少年・・・ ~ 「何やってたの?」 ~ いつから見ていたのかしらないが、とにかく少年が聞いてきた ~ 「何って・・・供養しにきただけだ」 ~ 「殺したの?」 ~ その言葉は重くのしかかってきた。何度思い出しても嫌な思い出である ~ 「ああ・・・」 ~ 「それで償いとして供養してるの?」 ~ 「ああ、そうだ・・・」 ~ 少年は平然と聞いた。どんな人物かも知らずに、平然と。 ~ すると少年はそこでくしゃみをした。無理もない、この寒い中薄着一枚、しかも袖などが破れている ~ 「寒いだろう、これでも着てろ・・・」 ~ 先ほど作った絹の服。少し間違い、使えなくなった。しかし服としては十分使える ~ 「いいの?」 ~ 「ああ」 ~ 「ありがとう」 ~ 少年はにっこりと微笑み、薄着の上にその服を着た。 ~ ふと足元を見ると先ほど少年の横にいた犬が近づいて来ていた ~ 人懐っこいようだった ~ 「そいつの名前、小朗って言うんだ。家の近くにいたから一緒に遊んでたらなついちゃって」 ~ クスクスと笑いながら話す少年。その明るさに城戸はうらやましく思った ~ 「お前の名前は?」 ~ 「小太郎」 ~ ピューッと口笛を鳴らし、犬を自分の下へと来させる ~ 「おいら、一応斉藤の忍者さ。あんた、確か中老の城戸だね?」 ~ 「!忍者だったのか!?」 ~ 「でも下忍さ。あ、無礼かもしれないけど敬って呼ばないから。おいらは階級に縛られるのは嫌いだから」 ~ そういうと腰を下ろし、犬とじゃれ始めた ~ 「いや・・・逆にその話し方のほうが話しやすくていい・・」 ~ 「ならよかった。おいらの本名は松村小太郎。飛騨の生まれ」 ~ 「飛騨・・・そうか」 ~ とりあえず少年の近くへいき、座った。少年といってもそんなに年は離れていない。多分、この少年は12歳くらいだろう。 ~ 「・・・して、なぜここに?」 ~ 険しい顔になった城戸。 ~ 「そんなに警戒しないでよ。おいらはただここにきただけさ」 ~ 「本当か?」 ~ 「疑い深い人だね、本当さ。いつもこの犬と一緒に美濃を駆けるのさ。今日はたまたまここにきて、たまたまあんたがいただけ」 ~ 呆れ顔で城戸を向きながら言う。 ~ 「そうか・・・」 ~ そういい残すと城戸は稲葉山へと戻るべく、小高い丘から下り始めた ~ 城戸が立ち去ったあと、小太郎は独り言をいった ~ 「城戸って人、疑心暗鬼になってるね・・・」 ~ すると木の上から一人の男が降りてきた ~ 「仕方のないこと。しかし我らに害を及ぼす者となれば死あるのみ」 ~ 「どうするの?思いつめてるあの城戸を」 ~ 「どうもしない。ただ静かに見つめるのみ・・・」 ~ そう言うとすぐ姿を消した ~ 「はぁ、あのひとって話しにくいんだよなぁ・・・堅くて」 ~ ぶつぶつと先ほどの忍者のことをいう小太郎・・・ ~ 「まあ、おいらも静かに見させてもらおうかな」 ~ そういうと小太郎もその場から去った。犬も一緒に。 ~ あとに残ったのはまだ寒々しい風、そして三人の墓だけであった・・・
テキスト整形のルールを表示する